まずは同一視されることの多い神。まとめて参考に。
-----ここから-----
・オキクルミオキは火の燃え立つ炭だそうな。
半神半人でアイヌラックル(人間くさい者)、ポイヤウンペ(小英雄)、またサマイクルとも。これらの者は同一視されることもあれば、兄弟神として扱われることもある。
江戸時代に幕府によるアイヌ懐柔策として、オキクルミは平泉から逃れ来た源義経と見なすように語られ、オキクルミが天界から降臨したとされる伝説の土地には現在義経神社がある。(ついでに言うとUFO交信地跡もあります)
・アイヌラックル 天神であるカンナカムイ(雷の神)が大地にいる火の女神チキサニ(春楡の木の意)を見初め、雲の上から身を乗り出してチキサニを見つめるうちに足を滑らせ、春楡の木に落雷する=結ばれる。その時に出来た子供がこのアイヌラックルで、服の裾と鞘尻が燃え上がっている、と描写される。
・オイナカムイとユカラカムイ語られ方はアイヌラックルと同型。カンナカムイが落ちて、チキサニ(春楡)と結ばれて生まれたのがオイナカムイ。なんだったか他の木と結ばれた生まれたのがユカラカムイ。(何の木だったかは後で調べます)
オイナカムイの母は樹肉が赤いためオイナカムイは赤い顔と描写される。ユカラカムイの母は樹皮が白っぽいため、ユカラカムイは白い顔。
「大神」の設定画の端に「オキクルミ=赤 サマイクル=白」と書いてあるのはここからと思われ。
・サマイクル オキクルミの対存在。オキクルミが道西部で崇められる神で、サマイクルは道東部。単独で出てくる場合は両者の役割はまったく一緒。一緒に出てくる場合は片方が立派な人物で片方が愚かな人物。もちろん立派な人物に当てはめられるのは、崇められてる方。立派=義経、愚か=弁慶とも見なされるみたいです。
和人との接触が少なかったためか、道西部のオキクルミ伝承と比べて道東部のサマイクル伝承は生活に根付いた話が多い。とか。
こないだ読んだ本では、サマイクルが死して姿を変えた岩が和人に「こんな岩が神であるものか」と言って小便かけられ、翌朝にはその岩がなくなったという話がありました。屈辱のあまりの逃亡だろうな、サマイクル(笑)
しかもその後、適当に見繕った岩を新しく安置されたらしいんですけど、観光狙いで今は「義経岩」と呼ばれてるそうな。…サマイクル…(笑)
-----ここまで-----
・ケムシリ爺ちゃんの杖イナウだったのな…!もえる、もえすぎる。どうしよう死んでもいいですか(えー!)
イナウってのは一般的に木幣と訳されるもので、アイヌ民族が儀式の時に神様に捧げるものです。このイナウの所持数=神のステータスだとか、イナウは神の力を増すマジックアイテムだとか、色々言われてますが、とにかく神を祀る時には欠かせないアイテムです。場合によってはこのイナウ自体が神にもなるのかな?チセコロカムイという家の守り神がいるんですけど、これはこのイナウを壁の高いところにかけたものです。
ついでにいうと、イナウは男性が作るもの。
・男女のステータス男性のステータスは、狩りのうまさ、イナウをはじめ木製具を作るうまさ、弁論の巧みさではかられます。それに対して女性は美しさ、巫術の強さ、織物のうまさだったかな?カイポクは織物、ピリカは巫術が巧みだからいい女ってことですね(笑)オキクルミは狩り、サマイクルは弁論なイメージがあります。あの二人は両極端だといい。
・村長世襲制ではなく、伝説や伝承、内外の情勢などをしっかりと把握している知識人で弁舌のさわやかな人が、誰に指名されるでもなく自然と就任するらしいですよ。弁舌については下の項目で詳しく。
アイヌの村長って、未亡人の生活の面倒とか見たらしいですよ。男女の役割分担が明確だから、独り者だと生きていけないんだそうな。だから村長は何家族分もの獲物や生活用品を確保しなきゃいけないこともあって大変だったみたいです。
・弁舌と談判と儀式アイヌは基本的に村落間で諍いがあった場合は、村落の代表者同士でチャランケと呼ばれる談判をします。何日も何晩も続け、先に言葉に詰まるか、談判を続ける体力をなくした方が負け。村長の弁舌の巧みさは村全体の存亡に関わるので、重要視されました。
あと儀式の際の祈りの言葉も即興で唱えられます。これがうまく言えないと神様に届かないので、こちらでも弁舌は重要なんですね。
ちなみに弁舌のさわやかさを表す語として、「カッコウの鳴き声が山間から人里に降り注ぐような」という表現があるそうな。だいぶ意訳ですけど。直訳は「カッコウの声としてまっすぐ落ちる」。
・戦闘 談判をしても収拾のつけられない事態になると、戦となるんだとか。武力に優れた人が特に尊ばれたという話は聞かないんで、ピンチヒッターみたいな存在だったんですかね。まあ平時に乱暴者は迷惑以外の何者でもないしな…
なんとなくオキクルミとサマイクルのポジションぽくていいなあ(笑)
・頭に巻いてるの男のはサパンペ(冠)っぽい。サパンペは藁(?)で編んだ男性の儀式用冠。
トゥスクルとか一部の女性が頭に巻いてるのはマタンプシ。木綿の幅広の布で、髪が落ちてくるのを押さえるために巻かれるもの。糸でオシャレに刺繍します。
・服木綿服1枚で終了。しかも和服と違っておくみがほとんどないんで、前はスースーします。女性はその下にワンピース型の下着(モウル)を着ないと胸とか色々丸見えです。カイポク姉の上着が服、下の服が下着と思っていただければ。
あと袖も筒袖です。服装だけでは男女差はほぼゼロ。男性の場合は盛装時だけその上に陣羽織を着ます。マジかっこいいです。ホレます。
基本的にクツも履かなかったらしいです。真冬の時期に遠出を強いられる時には魚皮で作ったクツを履いたんじゃないかと思うんですけど。
あとこの民族、北国のくせに革を「なめす」という言葉がありません。おそらく獣皮が豊富な地帯なので、剥いだらそのまま使って一冬越したらポイ、だったのかもしれませんねー。毛皮の使用も稀だったみたいです。
・ヨモギサマイクルの頭の葉っぱってヨモギだったんですね。こないだ読んでた本でオキクルミがヨモギの弓矢で悪魔を退治した話があったんで、その辺なんでしょうか。ヨモギは悪魔を永遠に滅ぼす力があるとかないとか書いてあったような。読み返してみるか。
・フクロウは守り神 コタンコロカムイ、村の守り神と呼ばれ、特にシマフクロウを差す。魔物のはびこる夜に起き出し「ホウホウ」と鳴て魔を払ってくれると信仰されたのだとか。
岩波文庫『アイヌ神謡集』に「島梟の神が自ら歌った謡」という神謡が収録されている。
<概要>
「金の滴降る降る、銀の滴降る降る」と歌いながら島梟が村を見回ると、貧しいが心の清らかな子供がその逆の子供にいじめられているのを見つける。島梟は心の清らかな子供の家に福を授け、その感謝の印としてたくさんの贈り物をしてもらった。
・白い狼白いメス狼が土地の男と結婚し、それが祖先だという伝承は多いらしいですよ。
オキアマ!サマアマ!(落ち着け。)

PR
COMMENT