蓋の閉じられた中は異界に繋がってるとかいう考えは万国共通なのね!とテンションをあげた文学部学生。しかし「アダムの息子、イブの娘」とか、そう呼ばれる四兄弟こそが世界を救う勇者だとか真の王だとか、動物の混じってる連中は支配の対象だとか、まあいろんな点がキリスト教圏らしくて関心と同時に食傷。キリスト教圏の子供達には最高に楽しいお話だと思うんですけどねー。ちょっとうんざりしてしまった。
現実世界で普通に過ごしてきた少年が突然戦争の指揮官になるとか、たぶん東洋じゃ考えられないんでないか、これ。王になるのはまだしも、戦争の指揮って、エエー…と思ったけど、西洋の戦争って基本的に全面衝突の白兵戦で兵法みたいのはそれほど発達してなかったもんな。指揮官と言ってもある程度の布陣を決めるくらいで、きっといざ戦争が始まれば最前線で戦い兵を鼓舞する武人タイプの英雄なんだろうな。そう考えるとお国柄が出てて面白いな!日本じゃメインの武器だった弓も、どう考えても最前線が衝突しないと届かないような後列に配されて援護射撃程度しかしてなかったのも西洋ならでは。オラわくわくしてきちまったぞ!(えー!)
というわけで、とにかく西洋のキリスト教圏らしいお話でした、という結論。そんで兄と話した日本らしいお話としては「妖怪大戦争」が挙げられたのですが。
まず、現世と異界の境界線が曖昧なので、ナルニアにおける「衣装タンス」は不必要。バスに乗って山奥に連れてかれる中で色々見るようにはなりましたが、はっきりとした境界線はないんですよね。ついでに未知の存在を見るようになるきっかけも曖昧で普通に生活してたら見ちゃったし、何よりも大戦争の地は現世。
細かいところもすごく日本的ですよね。「世界が危ないんだー!」じゃ「おれ喧嘩苦手だし」と取り合ってくれなかった妖怪たちが、なんか騒ぎがあるらしいことを知ると「祭りか!」と遠路はるばるかけつけ大騒ぎ。ラスボスが過去の人物とはいえ人間だし、人間が妖怪に近い存在になってたり。
うん、あれは見ててすっごい楽しかった。たぶんイギリス人はこんな感覚でナルニア国物語の映画を見てるんだろうな。

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